敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

 罪悪感と恥ずかしさでいっぱいになった。思い出すと顔から火が出た。

「……そ、そうですね」

「なんだ、佐山。熱でもあるのか。さっきから少し顔が赤い」

「あ、いいえ。今日は少しあったかいような……」

「そうか?」

「お日様もなくて、今日は寒いですよ、雪先輩。大丈夫ですか?」

 心配そうに成美がひざ掛けを見せた。

「あ、大丈夫……」

「先輩、チーフのせいでまた身体壊さないでね」

「新人も入ったし、海江田と林に仕事を少し割り振りした。佐山も無理するな」

「そうですよ、安心してください」

「ありがとうございます」

「詳細はメールしてあるから、確認しておいてくれ」

「わかりました」

「実はさっき氷室副社長の秘書から電話をもらったんだが、夕方すぎに副社長が来る」

「は……来るって、え?」

「佐山のいる時間を聞いてきたんだ。お前、あの忙しい人に気を遣わせるとは出世したな」

「やっぱり、電話で時間を下さいとお願いしたのが気に障ったのでしょうか」

 実は副社長の周辺で、インタビューの評判がいいらしい。