敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です



 高原の部屋を昼前にようやく出た雪は、取材先によってから出社した。

「おはようございます」

「ああ、来たか」

 部長から声をかけられた。

「佐山、おととい発売のインタビュー記事、今回もとても評判がいいぞ」

「本当ですか?嬉しいです!」

 第二弾の氷室商事の副社長のインタビュー記事が掲載されている。

 事件が落ち着いたので、異例の連載での掲載となった。

 副社長就任に、ぎりぎり間に合ってよかった。

「それを受けて、昨日の会議で佐山のチームリーダー昇格の件、正式に決まった。来月から高原の後になる。おめでとう」

「ありがとうございます。チーフのようには到底無理ですが、精一杯頑張っていきます」

 記事の評を受けて、昇格にOKが出たと聞いた。

「晴海の事件は決着したとみていいだろう。社長の交代も発表された」

「そういえば、マンションの下にいた警察の人が今週までだと言ってましたね」

「佐山に何事もなくてよかった。高原とは午前中打ち合わせできたのか?」

 打ち合わせ……昼ぎりぎりまでベッドにいた。