敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

「もうダメなのか?可愛い奴だな。俺が欲しい?」

「チーフの意地悪」

「意地悪なんて言われ慣れてる」

 * * *

「雪。話しておきたいことがある」

 ベッドで肩肘をついて雪の頬を優しく撫でながら伝えた。

「なんですか?」

「この件が片付き次第、俺は大学のマスコミ関係学部の非常勤講師になる」

「え?!」

 驚いた雪は身体を起こした。はらりと落ちたシーツは彼女の身体をそのまま見せた。

 にやりと笑った彼に気づいた彼女は、すぐに前をシーツを持ち上げて隠した。

「ああ、隠すことないのに残念だ」

「そうじゃなくて、記者を辞めるんですか?」

 気色ばんだ雪は問い詰めるように聞いた。

「非常勤だから、記者も続ける。俺がペンを置けると思っているのか?」

「確かにそうですね……天と地がひっくりかえってもなさそうです……」

「晴海商事の元会長が私立大学に出資しているんだ。大分前から頼まれていた」

「そうだったんですね……」

「今回も親や周囲に迷惑と心配をかけた。それで決断した。チームを離れてひとりで記事を書いていく」

「……」