「チーフ」
「もうどうやったって手放せないとわかっていた」
「……うそ……」
「気持ちを伝える方法を探っていたら、元カレがうろうろしだした。こんなに焦ったのは人生で初めての体験だ」
「元カレがうろうろしても、私は偽の彼氏のほうがずっと好きだから、何も心配することはありません」
「雪は仕事が好きだから、あいつにすぐ断らなかった。仕事の為に上司の俺を選ぶのか?」
どうしても意地悪したくなる。どうしてなんだろう。ここに至ってもいじりたいんだ。
「チーフは案外バカですね」
怒るどころか、雪は可愛い頭をかしげて面白そうに俺を見た。
「は?」
「そう思っているならそれでもいいです」
「雪、お前……」
「私のことは誰より知っているはずです」
雪をぎゅっと抱きしめた。
「ごめん。これからは部下とは別の意味で側にずっといてくれないか?」
「はい。私もずっと側にいたいです……」
そのまま顔を傾け、雪にキスをした。
「ん……」
そのまま横にあるソファへ雪と一緒に倒れた。
「いてて……」
「大丈夫ですか?!」



