敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

 彼が雪に何か言っていて、雪はうなずいた。

 数分して雪が合鍵で部屋へ入ってきた。

「チーフ、入りますよ」

「ああ」

 雪は高原の様子がいつもと違うのに気づいたようだった。

「佐山」

「はい」

「今日は誰と一緒だった?」

 我慢できず、わかっていたのに問い詰めた。

「あの、前から約束をしていて……」

「誰と一緒だったと聞いてるんだよ」

「なんでそんな……?プライベートは自由です」

 立ち上がって雪の方へ行こうとして身体がふらついた。

「……くっ!」

 雪は急いで駆け寄った。そして高原の身体を支えた。

「大丈夫ですか?」

 高原は雪の手の上に自分の手を重ねた。

「すまない……元カレだろう?」

 雪はリビングの窓が開いていて、カーテンが揺れているのを見ていた。

 気づいたんだろう。

「そうです。元カレと食事の約束をしていたので、食事をして帰ってきたところです」

「肩を抱かれていたな」

「あのそれは別に……」

「よりが戻ったのか?俺が電話をしなかったらふたりで部屋へ行っていた。邪魔をしたか?」

「邪魔をしてくれて助かりました」

「えっ?」