敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です



 雪に今後のことをどう伝えようかと悩んでいた。

 気分転換にひとりベランダで月をみながら考えていた。

 すると、下で聞き覚えのある声がする。

 雪だ。タクシーから話ながら降りてきた。何かもめている。

 雪が止めたのに、男が後ろから一緒に降りてきて、何か言っていた。

 彼女は夕方から用事があると言っていた。

 高原は嫌な予感がして、雪の肩を抱いて歩くその男をじっと見た。

「まさか……よりを戻したんじゃなかろうな?」

 高原はつぶやくと携帯を取り出し、雪にすぐさま電話をかけた。

 着信音がして雪がバッグを探ってる。高原は部屋へ戻った。

 するとしばらく呼び出し音がして、ようやく出た。

「……はい、佐山です」

「ああ、俺だ。悪い、まだ外か?用事は終わっていなかったんだな」

「あ、いいえ。ちょうどマンションの車止めを抜けたところでした」

「そうか。じゃあ、悪いが戻る前に寄ってくれないか?渡したいものがあるんだ」

「え?……あ、わかりました。すぐ行きます」

 部屋の中から外を見ると、案の定何かもめている。