敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

「家まで送り届ける。それに今はどこに住んでるのか知りたいからな」

「え?!」

「大丈夫、さすがに上がったりしないからさ。そのまま乗って帰るよ」

 タクシーの運転手が行先を聞いてきたので、しかたなく家の住所を言った。

「何か俺に隠してるだろ?」

 びっくりした。

「え?」

「ま、いいさ。俺相手に嘘なんか通用しないからな」

 暗がりで目が光ってる。

「隠してなんかないよ……」

「どうだか……ゆっくり探らせてもらう」

「真司……」

 マンションが見えてきた。警官がエントランスに立っている。

 タクシーを降りた。真司もおりようとしている。

「真司、ここでいいからこのまま帰って」

「部屋の前まで行く。心配するくらいならついて行ったほうがいい」

 すると、携帯に電話がかかってきた。

 雪は画面を確認すると、高原からだった。急いで出た。

「え?……あ、わかりました。すぐ行きます」

「どうした?」

「上司から呼び出し。すぐそこの棟に住んでるの。書類を預かりに行く。ここでいいわ」