敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

「何をそんなに驚いているんだよ。当たり前だろ?復縁なんだから次は結婚だよ」

「……」

「結婚願望強かったくせに、その顔はなんだ?」

 確かに学生時代は結婚願望が強かった。

 兄も結婚が早かったし、両親も仲が良かった。憧れがあったのは事実だ。

 今は仕事が楽しいから彼氏も必要なくなった。

 正直結婚なんて考えはどこかへ飛んで行ってしまっていた。

「結婚か。全然考えてなかった」

 真司はじいっと雪を観察するように見ている。

「雪、変わったな」

「そうでしょう。だから言ったのよ。やっぱりつきあうとか言わなければよかったでしょう」

「まだそれはない。お互い新鮮でいいかもしれない。楽しみだ」

 余裕の微笑みがこちらを見てる。

 昔から彼との交際で手綱を握られているのは慣れてる。

 でも、あの頃の私じゃない。

 楽しみとか言ってる段階で自分が勝つと思っているな。

 雪は真司とはじめて対等に話せていると今感じていた。

「ええ、私も楽しみよ。ごめんなさい、今日はここまででいい?」

「なんだよ、いつものバーへ行こうと思ったのに……」