敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

 雪は驚いて、グラスをもちあげる手が止まった。

「え?!真司に彼女いないの?どうして?」

 昔から真司はすごくモテた。

 学生時代から彼女がいない時期なんてほとんどなかったことを雪は知っている。

 意外過ぎる。

「……どうしてってまあ、それは……」

「あなたならすぐに彼女できるでしょ?学生時代から相手はよりどりみどりよね」

 雪は真司の誕生日に氷室商事のエントランス近くのカフェで待ち合わせた。

 すると、真司が女性からプレゼントを渡されて告白されている場面に出くわした。

 それを見て、正直雪はまたかと思った。

 学生時代、周りは雪という彼女がいることを知っていても、同じようなことが何度かあったのだ。

 真司を好きな女性陣が雪を彼女として認めていなかったのも知っている。

 だからこそ、彼を優先できなくなった自分に罪悪感を感じ、それで別れたのだ。

 彼ほどの人を縛るべきじゃないと思ったからだ。真司は昔からイケメンで、優秀だった。

 今、副社長秘書というエリートになっているのもうなずける。その彼がひとりでいるなんて思いもしない。