敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

「そうじゃない。家族にも話すなと言われているんだよ。ちょっと変な会社なんだ」

「そうだったんだ。でもショックだな。それならそれで話せないって言ってほしかった」

「ごめん」

「もういいよ。今になってあなたの仕事を知るはめになったからね」

「ああ、これぞ運命のいたずらってやつだな」

「相変わらず……調子いいんだから……ごまかされないわよ」

「雪が綺麗になってるのはちょっと複雑だった。側にいる男はどんな奴なんだろうと思ったよ」
 
「彼氏ということなら、真司と別れてからいないわ」

「……え?嘘だろ?」

「どうして別れたか忘れたの?」

 真司は黙って考えていた。

「仕事を理由にしていたが、本当だったのか?俺はてっきり、フラれる口実なのかと思ってた」

「それは……本当に忙しかったのよ。言ったじゃない、約束を反故にしすぎて罪悪感があったって」

「そう、だったのか……なんだ、はは……」

 真司は顔を覆うと上を向いて笑っている。

「何よ?」

「ああ、安心した。それならよかった」

「そういう真司こそ、今の彼女は社内にいるの?」

「社内ってなんだ?俺も今はフリーだ」