敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

 家の中での名前呼びも定着してきた。雪もすっかり慣れてしまっている。

 怪我が治ったらどうなるんだろうなどと考えてしまう。

 夕飯後、雪は高原に指摘された部分をパソコンに向かって手直していた。

 シャワーを浴びた高原が書斎へ戻ってきた。

 風呂上がりの彼を見ることが増えたが、何度見ても慣れない。すごい色気だ。

 雪は見ないふりをしてパソコンに向かった。

「大分患部の腫れがひいた。この分ならもう何とか歩ける」

「チーフ、病院でOKが出るまでは無理しないでください」

「自分で仕事をこなすことが出来るから無理に来てもらわなくても大丈夫だ」

「どうせ私の家は近いんです。こんな時こそ完治するまで使ってください」

「……悪いな。そう頻繁に来なくてもいい」

 事件は無事解決した。あとはチーフの足だけだった。

「明日は夕方から用事があるので、こちらには来られそうにないんです」

「わかった。気にしなくていい」

 パソコンの左側にある椅子へこしかけた高原は画面をのぞき込むように見ている。

「ああ、もうそのぐらいで十分だ。あまり変えるな。正直指摘すべきか迷ったんだ」