敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

「遅らせていた原稿を全部書いた。家は静かで話しかけられないから集中できて最高だな」

「はあ?」

「はかどることこの上ない。気づいたら夜中だったんだ」

「チーフ!怪我してるんだからちゃんと寝てくださいって言ったでしょ!」

「おい、でかい声出すなよ……おっかない奥さんみたいだぞ」

「偽カノなんですから言うことを聞いてもらいます。仕返ししなくちゃ」

「おー、怖。食べ物に毒は入れるなよ」

「どうしようかなー、ピーマンのフルコースとか作っちゃおうかしら?」

「おい、そんなことをしてみろよ。治るものも治らなくなる」

「怪我は治らなくても、好き嫌いが治るかもしれませんよ」

「怪我を治さないで、偽カノ期間の延長をしたいのか?」

「もう、チーフは口だけは達者ですね」

「記者は口とペンが達者じゃないとダメなんだ」

「夕飯を作りますね」

「無理しなくてもいいぞ。しかし酒が飲みたい」

「お酒はダメって言われてますよね。隠れて飲んだら本当にピーマン食べさせますからね」

「夕飯を作ってくれている間に、雪の原稿を見せてくれ」

「はい」