「何言ってんですか、もう。それより顔色が良くなりましたね。よかった。熱は下がりましたか?」
「そうだな、だいぶ楽にはなった。薬が効いているんだろう。偽カノの料理も栄養満点だ」
高原は相変わらず口がうまい。雪は仁王立ちして叱った。
「調子にのったらダメです。家の中で松葉杖使ってないんじゃないですか?ぶり返しますよ」
松葉杖は寝室に綺麗にそろえておいてある。朝から全く使ってないのがわかったのだ。
「腫れも少し引いてきたし、部屋は狭いから何とかなる」
「食事はちゃんと食べていますか?ご飯食べないと、お薬飲めないですからね」
仕事がゾーンに入ると食事もやめてしまうのを知っている。
「仁王立ちして鬼にでもなったか?怪我してからきちんと食べてる。俺は太ったんじゃないか?」
「太るぐらいがちょうどいいです。原稿を書いてばかりでほとんど寝てないんですよね。そのクマなんですか?」
最近見なかった隈が復活していた。事務所に膨大な原稿をチーフが送ってきていたので、皆驚いていた。
書きまくっていて、絶対寝てないんじゃないかと部長も、皆も話していた。案の定だ。



