敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です



 あれから二週間。

 警備の人を連れて取材は気が引けたがしょうがない。

 帰り際に急いで買い物をして、高原のマンションへ向かった。

「失礼します。チーフ、遅くなりすみません」

「ああ、わざわざ悪いな。お疲れさん」

 リビングから声がした。パソコンのタッチ音もする。

 雪はとりあえずスーパーによって食材を買い込んできた。

「何をそんなに買って来たんだ?とうとう同棲してくれるのか?」

 彼は眼鏡を外してこちらを見た。にやにやしてる。

 昨日よりずっと顔色がいい。

 冗談も言える程度に回復したんだと思い、雪は少し安心した。

「冷蔵庫が寂しくなるころなので、ちょっと食材を買ってきました」

「ああ、金払うからその机の上にあるカードを使ってくれ。昨日までの分も払うぞ」

 机にクレジットカードがおいてあった。

「お言葉に甘えてカードをしばらくお預かりしますね」

「どうぞ」

「そうだ、あとで明細見て驚かないで下さいね。たくさん買っちゃおうかな」

「ああ、驚かないよ。今は偽カノだから宝石のついた指輪を買ってきても許す。ただしピーマンは買うなよ」