敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

「ぶっ!何言ってんだよ!」

「そういえばチーフのご家族の話って聞いたことありませんでしたね」

「そうか?」

「ご実家の病院だったから母の入院先に紹介してくださったんですね。知り合いとか言っておいて、嘘じゃないですか!」

「まあ、家族は知り合いのはじまりだろう?俺が言うのもなんだが悪い病院じゃない。お母さんは治ったのか?」

「母はあと数日したら退院します」

「そうか、よかったな」

 最大の謎についてどうしても聞きたかった。

「お医者様のお子さんって大抵医者になりますよね?チーフはどうして記者になったんですか?」

「まあ、それは……話せば長くなる」

 ピンポーン!

 雪はパタパタとスリッパの音を立ててインターフォンへ向かった。

「部長がいらっしゃいました」

「ああ、お通しして」

 部長は高原の松葉杖を見て、ため息をついた。

「高原大丈夫か?」

「とりあえず、この程度ですみました。生きてます」

「バカ!刺激するなと言ったのにお前ときたら全く……こうなるんじゃないかとひやひやしていたら、案の定だ」

「すみませんでした」

 高原は素直に頭を下げた。