敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

「チーフ熱があるんじゃないかな……顔が赤い」

 そっとおでこに手をやった。すると、まつ毛がフルフルと震えて目がゆっくり開いた。

「あっ!」

 逃げようとした私の手首をチーフの大きな手が抑えた。

「……おはよう」

「お、おはようございます……具合はどうですか?少し熱がありますよね」

「寝たから身体が温まって熱が出て来たんじゃないか?」

「そういう問題じゃありませんよ。どうして何も食べてないんですか?」

「吐き気があったから薬だけ飲んで寝た。松葉杖を取ってくれないか」

「わかりました」

 私はチーフの身体を支え、立つ前に松葉杖を渡した。

 そして、ドアを開けて通りやすいように道を作った。

 急いでおかゆを温めなおした。ダイニングの椅子をひいて、チーフが座るのを手伝った。

「ああ、ありがとう。ふー。疲れるな」

「だから、絶対熱があるんです」

「こんなの大した熱じゃない。薬を飲めば下がるだろう。いただきます」

 綺麗に手を合わせて食べだした。

「チーフって今更ですが食べるときのお行儀がいいですよね」

 上目遣いに雪を見た高原は噴き出した。