敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

「ちょ、ちょっと、成美ちゃんったら……」

「仕事が出来てイケメンですけど、結構そっちのほうは子供みたいですよね」

「……!」

「身近な先輩ひとり落とせないんじゃ大したことありません」

 成美は横を向いて小さな声でつぶやいた。

 雪は驚いて何も言い返せなかった。

 * * *

 ようやく三時過ぎに海江田が戻った。雪は急いで高原のマンションへ向かった。

「……まだ寝てるのかしら?返事がない」

 三十分前に大丈夫ですかと連絡したが何も返事がない。

 寝ているだけならいいのだが、具合が悪いのかもしれないと少し心配になった。

 さっき帰り際に鍵を預かってきたので、自分で鍵を開けてチーフの家に入った。

「お邪魔します……チーフ?大丈夫ですか?」

 音がしない。玄関からリビングへ入った。

 見たところ、午前中雪が出て行ったときのままだ。

「もしかして……」

 寝室をノックしたが返事がない。そおっとドアを開けると暗くなっていた。

 ブラインドを下げて帰ったことを思いだす。静かにベッドへ向かう。

 やはりチーフは寝ていた。