敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

「そこの棚。上から順番に下着、ワイシャツ、普段着、見てくれたらわかる。短パンとTシャツを出してくれ」

 仕事の時と同じように明確な指示がきた。そうなると同じように返事をしてしまう。

「了解です」

 服を出して渡すと、彼は上半身からおもむろに脱いで着替え始めた。

 今更ドキドキもしない。正直何度か見ていて見慣れているのだ。

 事務所に泊まり込みで翌朝着替えているのを見かけたこともある。

「痛いな……」

 下は着替えるのがつらそうだ。

「何か、お手伝いしましょうか?あ、でも……」

 言ってから後悔した。恥ずかしくなって目を反らした。

「ふっ……そんな顔初めて見た。怪我も悪くないな」

「え?」

「俺を男だと初めて意識してくれたんだろう?」

「な、な……!」

 高原は口をパクパクする雪を見ながら、にやりと笑った。

「部長が四時過ぎに今後の打ち合わせでこちらへ来てくれるそうだ。佐山も同席してくれ」

「わかりました。でも私は一旦事務所へ戻りますね。チームに林さん一人じゃ大変ですから」