敏腕記者の怪我は溺愛の始まり~そんな昇格結構です

「だって俺達は仕事でのお互いは知り尽くしてる。これでプライベートも知り尽くせば丸裸ってわけだ」

 相変わらず言い方がひどい。

「チーフ、それよりそのケガでお仕事はどうしますか?林さんから聞いてきてほしいと頼まれているんです」

「出来る限り予定通りやるよ」

「……は?何言ってんですか、その体で絶対無理ですよ」

「別に取材方法を変えればできなくはない。佐山が俺のできないところは一緒に来て助けてくれればいい」

「助ける?」

「手始めに佐山の仕事を少し整頓してほしい。しばらくは公私共俺専属にしてもらう。部長には俺から話しておく」

「ええー!」

 雪は大きな声を出してしまった。彼は耳を塞いだ。

「うるさいぞ。ここをどこだと思ってるんだ。もう少し声を落とせ」

「私の仕事を整頓しろってなんですか、できません」

「お前のコラム以外の頼まれ仕事をしばらくやめろと言っているんだ」

「そんな……」

「俺の仕事も整頓してお前と一緒にすべきものを決める」

 この間片付けたばかりなのに、これ以上どうしろと?

 でもチーフが部長経由で頼むというのだから、何か考えがあるんだろう。