泥団子みたいな私の恋

「……うん」

少しだけ間があった。

「遅いよ」

その言葉は、思っていたよりずっと静かだった。

でも――

「……正直さ」

ぽつりと落ちる。

「今さら来られても、都合いいなって思うよ」

一瞬、空気が止まる。

「俺がどれだけ待ってたかとか、多分お前、知らねえし」

笑ってるのに、目だけ笑ってない。

「……ほんと、最悪なタイミングだなって思った」

胸が締め付けられる。

でも次の瞬間、

「……でもさ」

ふっと力が抜ける。

「それでも来たんだろ」

少しだけ、優しくなる。

「じゃあ、無理って言えねえじゃん」

少しの沈黙のあと、小さな声で呟く。

「……ほんとは、来ないと思ってたし」

生ぬるい風が吹く。