泥団子みたいな私の恋

放課後。
海翔と話しているのに、集中できない。

「美瑠?」
「あ、ごめん」

 視線が泳ぐ。

(なんで、あの人のこと考えてるの)

 その日の帰り道。
 また、櫂先輩に会った。

「また暗い顔」
「……普通です」
「無理して笑うのやめたら?」

 ドクン、と心臓が鳴る。

「別に、無理してません」
「してる」

 即答。
 少しイラッとする。

「先輩に何が分かるんですか」

 言いすぎたと思った。
 でも、先輩は怒らなかった。

「分かんねえよ」

 あっさり言う。

「でも、お前がしんどそうなのは分かる」

それだけだった。
それだけなのに——
胸が、ほどける。