「どうしたのその傷、一体何があったの!? 何か事件に巻き込まれたの!?」
「いや、事件に巻き込まれたわけじゃない。国王の要求に応じて魔獣と戦ってきただけだよ」
「国王?」
突拍子もない単語に困惑する。
「おれはこの六日間、国王の使いっ走りをしてたんだ。三頭の魔獣と戦ったのもその一環。これが報酬。どうぞ。貴女への贈呈品《プレゼント》です」
リュオンはノエル様の手当を受けながら屈んで鞄から黒い筒を取り出し、私に差し出した。
金色の彫刻が成された豪華な筒である。
蓋を開けてみると、中に入っていたのは二枚の紙だった。
丸まった紙を広げて絶句する。
そこに書かれている名前は『セラ・エンドリーネ』――この紙は私の身分証明書だった。
「エンドリーネって……」
あまりのことに声が震える。
「説得の甲斐あって、伯爵夫妻はセラを養女にすることに同意してくれた。ユーリもノエルも」
呆然としながら顔を向けると、ユリウス様は頷き、ノエル様はリュオンの腕に包帯を巻きながら微笑んだ。
「とはいえ、本当に書類上だけの話だ。伯爵夫妻と何度も協議した結果、下手をすれば戦争の火種になりかねない稀有な力を隠すためにも、セラには伯爵令嬢ではなくこれからもただの侍女として働いてもらうことになった。あと、悪いが相続権は放棄してくれ」
「そ、相続権なんて要らないわよ! もう充分お給金はもらってるもの」
むしろ相続権なんて貰っても困るだけだ。
「いや、事件に巻き込まれたわけじゃない。国王の要求に応じて魔獣と戦ってきただけだよ」
「国王?」
突拍子もない単語に困惑する。
「おれはこの六日間、国王の使いっ走りをしてたんだ。三頭の魔獣と戦ったのもその一環。これが報酬。どうぞ。貴女への贈呈品《プレゼント》です」
リュオンはノエル様の手当を受けながら屈んで鞄から黒い筒を取り出し、私に差し出した。
金色の彫刻が成された豪華な筒である。
蓋を開けてみると、中に入っていたのは二枚の紙だった。
丸まった紙を広げて絶句する。
そこに書かれている名前は『セラ・エンドリーネ』――この紙は私の身分証明書だった。
「エンドリーネって……」
あまりのことに声が震える。
「説得の甲斐あって、伯爵夫妻はセラを養女にすることに同意してくれた。ユーリもノエルも」
呆然としながら顔を向けると、ユリウス様は頷き、ノエル様はリュオンの腕に包帯を巻きながら微笑んだ。
「とはいえ、本当に書類上だけの話だ。伯爵夫妻と何度も協議した結果、下手をすれば戦争の火種になりかねない稀有な力を隠すためにも、セラには伯爵令嬢ではなくこれからもただの侍女として働いてもらうことになった。あと、悪いが相続権は放棄してくれ」
「そ、相続権なんて要らないわよ! もう充分お給金はもらってるもの」
むしろ相続権なんて貰っても困るだけだ。

