サロンで兄弟がどんな会話をしたのかはわからない。
でも、三十分後にサロンから出てきたノエル様は少しだけ目を赤くしていて。
大広間でそわそわしながら手を組んで待っていた私を見て、なんだか照れくさそうに笑った。
「心配かけてごめんね。ありがとう、もう大丈夫」
初めて見るノエル様の笑顔に、胸の奥がじいんと痺れた。
それから一時間後。
「お二人が無事仲直りできて良かったです……」
私はしみじみしながらネクターさんと一緒に厨房で四人分――うち、一人は猫用の浅い食器である――の食器を洗っていた。
今日、私がこのお屋敷に来て初めて兄弟は一緒に食卓を囲んだ。
かたや床の上で食事をする猫、かたや椅子の上で食事をする人間。
会話するには身長差――体長差?――がある。
しかし、それを気にする様子もなく、兄弟はこれまでの空白の期間を埋めるように互いによく喋り、給仕役として立っていた私の胸を温かくさせた。
「セラの頑張りのおかげですね。伯爵夫妻もさぞ喜ばれることでしょう。後はリュオンにユリウス様を人間に戻してもらうだけですね」
綺麗に完食された皿を洗いながら、ネクターさんは微笑んだ。
「はい。それにしても、リュオンは王都で何をしているんでしょう? 彼が六日も外出するのは珍しいんですよね?」
ネクターさんから泡塗れの皿を受け取り、水で丁寧に泡を落として水切り用のかごに置く。
でも、三十分後にサロンから出てきたノエル様は少しだけ目を赤くしていて。
大広間でそわそわしながら手を組んで待っていた私を見て、なんだか照れくさそうに笑った。
「心配かけてごめんね。ありがとう、もう大丈夫」
初めて見るノエル様の笑顔に、胸の奥がじいんと痺れた。
それから一時間後。
「お二人が無事仲直りできて良かったです……」
私はしみじみしながらネクターさんと一緒に厨房で四人分――うち、一人は猫用の浅い食器である――の食器を洗っていた。
今日、私がこのお屋敷に来て初めて兄弟は一緒に食卓を囲んだ。
かたや床の上で食事をする猫、かたや椅子の上で食事をする人間。
会話するには身長差――体長差?――がある。
しかし、それを気にする様子もなく、兄弟はこれまでの空白の期間を埋めるように互いによく喋り、給仕役として立っていた私の胸を温かくさせた。
「セラの頑張りのおかげですね。伯爵夫妻もさぞ喜ばれることでしょう。後はリュオンにユリウス様を人間に戻してもらうだけですね」
綺麗に完食された皿を洗いながら、ネクターさんは微笑んだ。
「はい。それにしても、リュオンは王都で何をしているんでしょう? 彼が六日も外出するのは珍しいんですよね?」
ネクターさんから泡塗れの皿を受け取り、水で丁寧に泡を落として水切り用のかごに置く。

