勧められた通りに長椅子の一方へと座ると、ノエル様は対面に座った。
部屋の主人の性格を表すように、ノエル様の部屋は綺麗に整頓されている。
調度品も品が良く、窓辺のカーテンは落ち着いたモスグリーン。
壁一面は本棚になっていて、そこに収められているのは戦術書や兵法書、図鑑、哲学書、外国文学など、実用書から娯楽本まで多岐に渡った。
「さっきも兄さんをどう思っているかなんて、意味がわからないことを聞いてきたね。何? セラは兄さんのさしがねで動いてるわけ?」
ノエル様は両足を組み、冷淡な目で私を見つめた。
「違います。全ては私の意思です。私はお二人の仲を取り持つお手伝いがしたいのです」
「仲を取り持つなんて不可能だよ。言ったでしょう。ぼくは兄さんが嫌いだって」
「それは嘘です。ノエル様はユリウス様のことがお好きでしょう?」
私は反論する暇を与えないよう早口でまくし立てた。
「私がここに来たとき、ノエル様はまず最初に『ユリウス様を侮辱したら追い出す』と言われました。本当にユリウス様が嫌いなら開口一番釘を刺すはずがないんです。嫌いな人が侮辱されても気にする人はいません。むしろ『良い気味だ』と思うのが普通でしょう?」
「嫡男である兄さんを侮辱するのは伯爵家を侮辱するのと同じ――」
「根拠はまだあります。ノエル様は本館ではなく別館《ここ》で暮らされています」
私は聞く耳を持たずに言葉を続けた。
部屋の主人の性格を表すように、ノエル様の部屋は綺麗に整頓されている。
調度品も品が良く、窓辺のカーテンは落ち着いたモスグリーン。
壁一面は本棚になっていて、そこに収められているのは戦術書や兵法書、図鑑、哲学書、外国文学など、実用書から娯楽本まで多岐に渡った。
「さっきも兄さんをどう思っているかなんて、意味がわからないことを聞いてきたね。何? セラは兄さんのさしがねで動いてるわけ?」
ノエル様は両足を組み、冷淡な目で私を見つめた。
「違います。全ては私の意思です。私はお二人の仲を取り持つお手伝いがしたいのです」
「仲を取り持つなんて不可能だよ。言ったでしょう。ぼくは兄さんが嫌いだって」
「それは嘘です。ノエル様はユリウス様のことがお好きでしょう?」
私は反論する暇を与えないよう早口でまくし立てた。
「私がここに来たとき、ノエル様はまず最初に『ユリウス様を侮辱したら追い出す』と言われました。本当にユリウス様が嫌いなら開口一番釘を刺すはずがないんです。嫌いな人が侮辱されても気にする人はいません。むしろ『良い気味だ』と思うのが普通でしょう?」
「嫡男である兄さんを侮辱するのは伯爵家を侮辱するのと同じ――」
「根拠はまだあります。ノエル様は本館ではなく別館《ここ》で暮らされています」
私は聞く耳を持たずに言葉を続けた。

