「おやまあ。兄弟間の亀裂がより深くなってしまいましたねえ」
厨房の前に立ち、頭を下げてノエル様を出迎えたネクターさんが苦笑しながら私に近づいてきた。
「好きかどうかなんていまさら聞かずとも、お二人の関係が冷え切っているのは見ていればわかるでしょう。踏み込まず、そっとしておく。それが使用人たちの暗黙のルールでしたのに、どうしてまた草むらの中にいた蛇を棒で突っつくような真似をしたのです?」
「……どうにかお二人の関係を改善したくて……」
私は両手で顔を覆った。
「ではこんなところで立ち止まっている場合ではないでしょう。一度問題解決に取り組むと決めたのなら、中途半端に投げ出してはいけません。このままでは貴女はただいたずらにお二人の関係を悪化させただけです。嘆くのは全力で足搔いた後でも遅くはないですよ」
ネクターさんは私の肩を優しく叩いた。
「今日の夕食の支度は私一人でやります。セラはノエル様と腹を割って話してきなさい。セラも気づいているでしょう? ユリウス様は猫になってしまうという見た目にもわかりやすい問題を抱えていますが、ノエル様の抱えている問題のほうがより暗く、根が深いことに」
「……はい。行ってきます」
私は表情を引き締めて頷き、足を踏み出した。
厨房の前に立ち、頭を下げてノエル様を出迎えたネクターさんが苦笑しながら私に近づいてきた。
「好きかどうかなんていまさら聞かずとも、お二人の関係が冷え切っているのは見ていればわかるでしょう。踏み込まず、そっとしておく。それが使用人たちの暗黙のルールでしたのに、どうしてまた草むらの中にいた蛇を棒で突っつくような真似をしたのです?」
「……どうにかお二人の関係を改善したくて……」
私は両手で顔を覆った。
「ではこんなところで立ち止まっている場合ではないでしょう。一度問題解決に取り組むと決めたのなら、中途半端に投げ出してはいけません。このままでは貴女はただいたずらにお二人の関係を悪化させただけです。嘆くのは全力で足搔いた後でも遅くはないですよ」
ネクターさんは私の肩を優しく叩いた。
「今日の夕食の支度は私一人でやります。セラはノエル様と腹を割って話してきなさい。セラも気づいているでしょう? ユリウス様は猫になってしまうという見た目にもわかりやすい問題を抱えていますが、ノエル様の抱えている問題のほうがより暗く、根が深いことに」
「……はい。行ってきます」
私は表情を引き締めて頷き、足を踏み出した。

