二時間後。
私は宮廷魔女の証である金の刺繍が施された黒のローブを羽織り、多くの都民で賑わう王都の中央広場に立っていた。
目の前の噴水広場では子どもたちが噴き上がる水と戯れ、母親や恋人たちが噴水の縁に座って談笑している。
死んだ魚の目で平和な光景を眺めていると、その腰に剣を下げた二人の男性が私を見つけて歩いてきた。
一人は歴戦の戦士の風格を漂わせる、右頬に傷痕を持つ筋骨隆々な赤髪青目の大男。
もう一人は貴族らしき、細身の金髪緑目の男性。
彼らも私と同じく死んだ魚の目をしている。
この任務に全く乗り気ではないらしい。同士だ。友よ。
「……初めまして。宮廷魔女のココです。よろしくお願いします」
私は肩口で切り揃えた灰色の髪を揺らして頭を下げた。
「中央騎士団所属のブラッドだ」
「同じく中央騎士団所属のエミリオ・クライトです。よろしく……若いね。いくつ?」
少しでも重い空気を紛らわせようと思ったのか、エミリオは砕けた口調で言って微笑んだ。
「十八です」
「えっ。十三歳くらいかと思った」
「……宮廷魔女になれるのは十五歳からですよ」
ごめんごめん、と笑うエミリオを見つめて、私はほんの少しだけ唇を尖らせた。
彼が誤解したのは身長のせいだろう。
私の背は150センチにも満たず、大柄なブラッドとは頭一つ分以上の差がある。
私は宮廷魔女の証である金の刺繍が施された黒のローブを羽織り、多くの都民で賑わう王都の中央広場に立っていた。
目の前の噴水広場では子どもたちが噴き上がる水と戯れ、母親や恋人たちが噴水の縁に座って談笑している。
死んだ魚の目で平和な光景を眺めていると、その腰に剣を下げた二人の男性が私を見つけて歩いてきた。
一人は歴戦の戦士の風格を漂わせる、右頬に傷痕を持つ筋骨隆々な赤髪青目の大男。
もう一人は貴族らしき、細身の金髪緑目の男性。
彼らも私と同じく死んだ魚の目をしている。
この任務に全く乗り気ではないらしい。同士だ。友よ。
「……初めまして。宮廷魔女のココです。よろしくお願いします」
私は肩口で切り揃えた灰色の髪を揺らして頭を下げた。
「中央騎士団所属のブラッドだ」
「同じく中央騎士団所属のエミリオ・クライトです。よろしく……若いね。いくつ?」
少しでも重い空気を紛らわせようと思ったのか、エミリオは砕けた口調で言って微笑んだ。
「十八です」
「えっ。十三歳くらいかと思った」
「……宮廷魔女になれるのは十五歳からですよ」
ごめんごめん、と笑うエミリオを見つめて、私はほんの少しだけ唇を尖らせた。
彼が誤解したのは身長のせいだろう。
私の背は150センチにも満たず、大柄なブラッドとは頭一つ分以上の差がある。

