「んー、まあ、彼女の存在も戦争の一因ではあったわね」
ドロシーはティーカップをソーサーに置き、曖昧に言葉を濁した。
「でもね、彼女だけじゃなく、『始まりの魔女』の転生体はほとんど全員が狙われたの。唯一転生体ではなく、オルガに作られた『始まりの魔女』そのものであるあたしも例外じゃなかった。なんたってあたしは不老不死、これほど知的好奇心が刺激される存在はなかなかないでしょう? 人間の科学者、研究者、学者、時の権力者――ありとあらゆる人間があたしを捕まえようと躍起になった。同胞の魔女すらもあたしの敵だった。全く、神様も厄介な魔法を授けてくれたもんだわ」
なんと声をかければよいのかわからず黙っていると、ドロシーは長い三つ編みの先端を指先で弄った。
「ま、あたしの話はおいといてさ。戦争当時の『魔力増幅』の魔法を持つ魔女の転生体はフリーディアと同じくらい優しい子だったから、自分のせいで争いが起きることに耐えられなくて死んじゃったの。あたしは彼女が生まれ変わるのを待った。運よく巡り会えたときには戦争から百年以上の年が過ぎてた。彼女――フィーナは小さな島国で暮らしてて、珍しい男性の魔女の恋人がいた。恋人は第五王子で、将来結婚するんだって、幸せそうに笑ってた。でもフィーナの恋人はフィーナを愛してなんかいなかった。本当に好きな相手は他にいた。フィーナは第五王子が他の王子を蹴落とすために利用されるだけ利用されて、国王となったそいつにゴミみたいに捨てられた。用無しになった道具でも他人に利用されたら困るからと、身勝手な理由で投獄された挙句、ありもしない罪をでっちあげられて処刑された」
ドロシーは眉間に皺を作り、心底忌々しそうに吐き捨てた。彼女の手の中で三つ編みが無残に潰れている。
ドロシーはティーカップをソーサーに置き、曖昧に言葉を濁した。
「でもね、彼女だけじゃなく、『始まりの魔女』の転生体はほとんど全員が狙われたの。唯一転生体ではなく、オルガに作られた『始まりの魔女』そのものであるあたしも例外じゃなかった。なんたってあたしは不老不死、これほど知的好奇心が刺激される存在はなかなかないでしょう? 人間の科学者、研究者、学者、時の権力者――ありとあらゆる人間があたしを捕まえようと躍起になった。同胞の魔女すらもあたしの敵だった。全く、神様も厄介な魔法を授けてくれたもんだわ」
なんと声をかければよいのかわからず黙っていると、ドロシーは長い三つ編みの先端を指先で弄った。
「ま、あたしの話はおいといてさ。戦争当時の『魔力増幅』の魔法を持つ魔女の転生体はフリーディアと同じくらい優しい子だったから、自分のせいで争いが起きることに耐えられなくて死んじゃったの。あたしは彼女が生まれ変わるのを待った。運よく巡り会えたときには戦争から百年以上の年が過ぎてた。彼女――フィーナは小さな島国で暮らしてて、珍しい男性の魔女の恋人がいた。恋人は第五王子で、将来結婚するんだって、幸せそうに笑ってた。でもフィーナの恋人はフィーナを愛してなんかいなかった。本当に好きな相手は他にいた。フィーナは第五王子が他の王子を蹴落とすために利用されるだけ利用されて、国王となったそいつにゴミみたいに捨てられた。用無しになった道具でも他人に利用されたら困るからと、身勝手な理由で投獄された挙句、ありもしない罪をでっちあげられて処刑された」
ドロシーは眉間に皺を作り、心底忌々しそうに吐き捨てた。彼女の手の中で三つ編みが無残に潰れている。

