妹に全てを奪われた伯爵令嬢は遠い国で愛を知る

「私と結婚してくれるの?」

 うやむやにされるのは嫌だ。
 確かな言葉が欲しくて、私はじっとリュオンを見つめた。

「……ああ。それはもう、願っても無いというか、何というか……よろしくお願いします……」
 リュオンは照れ臭そうに俯いた。

「良かった!!」
 歓喜して抱きつく。すぐにリュオンは抱き返してくれた。

「おめでとー!!」

 ドロシーの声が聞こえるや否や、私たちの頭上に空を覆うほどに大きな魔法陣が出現した。

 驚いて見上げると、蒼穹を背景にして、色とりどりの花びらが降ってきた。

「わあ……」
 風に舞う無数の花びらに見惚れる。なんとも幻想的で美しい光景だった。

「あー。一時はどうなることかと思ったけど、丸く収まって良かった。本当に良かった。そして本当にごめん。ご迷惑をお掛けしました」
 歩み寄ってきたドロシーは三つ編みを垂らして頭を下げた。

 その間に、ノエル様とユリウス様も近づいてくる。