徐々に視界が回復して現実を映し出す。
ノエル様やユリウス様にも私と同じ異常が起きているようだった。
動こうとしても一切身体に力が入らず、声も出せず、座った状態で悔しそうにドロシーを睨んでいる。
唯一目線を動かすことだけはできたため、辺りを見回したがリュオンがいない。
彼はどこに行ったのか。激しい不安と恐怖で押し潰されてしまいそうだ。
どうか、どうか、無事でいて。私は心の底から祈った。
「――セラを放せ」
草で覆われた大地を踏む足音の後で、怒りに満ちた低い声が聞こえた。
ほっとしたのも束の間、視界内に戻ってきた彼の姿を見て、声にならない悲鳴が喉から迸る。
リュオンは身体中傷だらけで、見慣れた濃紺のローブもあちこちが裂けて変色していた。
彼の額からは一筋の血が流れている。
赤い血は右目に入り、頬を伝っているが、リュオンは私の背後――ドロシーを射殺すような目で睨むばかり。もしかしたら怪我をしている自覚すらないのかもしれない。
「ふふ。自分の防御を捨ててまでオトモダチを守るなんて、素晴らしい友情ですこと。セラを手放すなんて無理に決まってるでしょ? 《《これ》》は全ての魔女が欲しがる超貴重な魔力増幅アイテムだもの」
ドロシーの両手が背後から伸びてきて、私の身体を抱きしめた。
まるで大蛇に絡みつかれているような気分だ。
いますぐ逃げだしたいのに、魔法で束縛された身体は脳の指令を受け付けず、ただ細かく震えるだけ。
ノエル様やユリウス様にも私と同じ異常が起きているようだった。
動こうとしても一切身体に力が入らず、声も出せず、座った状態で悔しそうにドロシーを睨んでいる。
唯一目線を動かすことだけはできたため、辺りを見回したがリュオンがいない。
彼はどこに行ったのか。激しい不安と恐怖で押し潰されてしまいそうだ。
どうか、どうか、無事でいて。私は心の底から祈った。
「――セラを放せ」
草で覆われた大地を踏む足音の後で、怒りに満ちた低い声が聞こえた。
ほっとしたのも束の間、視界内に戻ってきた彼の姿を見て、声にならない悲鳴が喉から迸る。
リュオンは身体中傷だらけで、見慣れた濃紺のローブもあちこちが裂けて変色していた。
彼の額からは一筋の血が流れている。
赤い血は右目に入り、頬を伝っているが、リュオンは私の背後――ドロシーを射殺すような目で睨むばかり。もしかしたら怪我をしている自覚すらないのかもしれない。
「ふふ。自分の防御を捨ててまでオトモダチを守るなんて、素晴らしい友情ですこと。セラを手放すなんて無理に決まってるでしょ? 《《これ》》は全ての魔女が欲しがる超貴重な魔力増幅アイテムだもの」
ドロシーの両手が背後から伸びてきて、私の身体を抱きしめた。
まるで大蛇に絡みつかれているような気分だ。
いますぐ逃げだしたいのに、魔法で束縛された身体は脳の指令を受け付けず、ただ細かく震えるだけ。

