妹に全てを奪われた伯爵令嬢は遠い国で愛を知る

「あ。いえ、あの、いまのはその、何でもないの。気にしないで」
 慌てて両手を振る。

「いや無理だよ。どういう意味?」
 リュオンは真顔で私を見つめた。

「そ、それはその……ほら! いまはそんなことよりイノーラをなんとかしないと!」
 赤面し、タジタジになって後退する私にリュオンが詰め寄る。

「いやイノーラとかどうでもいい。あんなの三秒も要らない」

 いや、『あんなの』って。
 それに『三秒』って、一体何に必要な時間なんですか?

「それよりいまの言葉の真意を聞きたい」

 既に私は壁際まで後退しているというのにリュオンが近づいてくる。

 逃がさないとばかりに、彼は壁に手をついて身体と壁の間に私を閉じ込めた。

「し、真意って、あの」
 リュオンの吐息がかかり、私は真っ赤になって身を縮めた。

 ちょっと屈んだらキスされそうな超至近距離なんですけど、すぐそこに極上の顔があるんですけど!!