「『ありえないでしょう!! なんでそんな美形とあんたがくっつくのよ!! なんで幸せそうな顔してんのよ!! これじゃなんのために私はあんたからクロード王子を奪ったのよ!!』」
「『えっ? まさかとは思うけれど、あなた、私への嫌がらせのためだけにクロード王子と結婚したの? 誰かに命令されたわけでもないのに、全く好きではない相手と結婚したというの?』」
唖然として言うと、イノーラは貝のように口を閉じた。
「『ちょっと待ってよイノーラ、どういうこと!? 僕に好きだと言ったあの情熱的な夜の告白は嘘だったの!? 僕は君が本気だと思ったから父上たちを説得してセレスティアとの婚約を破棄したのに――』」
クロード王子が問い詰めるが、イノーラは答えない。そればかりか鬱陶しそうに夫を見上げ、そんなことよりとっとと助けなさいよこの役立たずと喚き始めた。役立たずとは何だ、それが夫に対する言葉かとクロード王子が半泣きで抗議する。
「……凄いな。嫌がらせのために婚約者を奪うとは」
醜い言い争いを始めた二人を見てリュオンは呆れ果てているようだ。
「ええ、本当に。嫌がらせのために好きでもない人と結婚するなんて、私には絶対に無理よ。リュオン以外の人と結婚するなんて考えられない」
ついぽろっと本音が漏れた。
「え?」
はっとして口をつぐんだけれど、時すでに遅し。
ばっちり聞こえてしまったらしく、リュオンは驚いた顔でこちらを見た。
「『えっ? まさかとは思うけれど、あなた、私への嫌がらせのためだけにクロード王子と結婚したの? 誰かに命令されたわけでもないのに、全く好きではない相手と結婚したというの?』」
唖然として言うと、イノーラは貝のように口を閉じた。
「『ちょっと待ってよイノーラ、どういうこと!? 僕に好きだと言ったあの情熱的な夜の告白は嘘だったの!? 僕は君が本気だと思ったから父上たちを説得してセレスティアとの婚約を破棄したのに――』」
クロード王子が問い詰めるが、イノーラは答えない。そればかりか鬱陶しそうに夫を見上げ、そんなことよりとっとと助けなさいよこの役立たずと喚き始めた。役立たずとは何だ、それが夫に対する言葉かとクロード王子が半泣きで抗議する。
「……凄いな。嫌がらせのために婚約者を奪うとは」
醜い言い争いを始めた二人を見てリュオンは呆れ果てているようだ。
「ええ、本当に。嫌がらせのために好きでもない人と結婚するなんて、私には絶対に無理よ。リュオン以外の人と結婚するなんて考えられない」
ついぽろっと本音が漏れた。
「え?」
はっとして口をつぐんだけれど、時すでに遅し。
ばっちり聞こえてしまったらしく、リュオンは驚いた顔でこちらを見た。

