妹に全てを奪われた伯爵令嬢は遠い国で愛を知る

「ところでリュオン。こうなったらセラも連れてイノーラと直接対決といかない? 魔力を増幅できるセラがいれば君は無敵でしょう。イノーラは何をしでかすかわからない。念のため、君の傍にいてもらった方がいい」

「……でも、セラを連れて行くのは……」
 リュオンは悩むように視線を床に落としている。

「お願いリュオン、連れて行って。イノーラと話をさせてちょうだい。大丈夫よ、言ったでしょう。イノーラが何を言ったって私の心には響かないわ」
「……わかった」
 リュオンは渋々ながら了承した。

「決まりだね。じゃあ三人で行こう。《《協力者もいることだし》》、さっさと終わらせるよ。ここにいるのはセレスティア・ブランシュじゃなく、ぼくの姉だってことをイノーラたちに教えてやろう」

 ナイフが隠された外套を羽織り、ノエル様が不敵に笑う。

 ノエル様が私を姉と言ってくれたのは初めてで、目頭が熱くなる。