「薄情かもしれないけれど、いまの私にとってイノーラは私の心を乱すに値しない存在なの。私にはリュオンがいるから。私よりも私を大切にしてくれるあなたがいるから、もう何も怖くない」
リュオンの瞳をまっすぐに見つめて微笑む。
「レアノールに帰るつもりはないわ。私は、セラ・エンドリーネは、ここにいたい。あなたの隣で生きていたいの。叶うなら、これからもずっと」
「……叶うさ。それをセラが望むなら、おれはどんな願いだって叶えてみせる」
リュオンは彼の頬に添えていた私の手を掴んだ。
まるで姫君に忠誠を誓う騎士のように、私の手の甲にそっと口づけを落とす。
胸が甘く痺れ、頬が熱を帯びる。
ここまで私の心を掻き乱すのは彼だけだと実感した。
軽い咳払いの声が聞こえて、私は火傷でもしたかのように勢い良く手を引っ込め、リュオンと揃ってノエル様を見た。
「目の前で二人きりの世界を展開されても困るんだけど。ぼくがいること忘れてない? いまそんなことしてる場合じゃないよね?」
私たちを見るノエル様の目は冷たい。まるでお屋敷に来た当時の再現。
「悪い」「すみません」
リュオンと私が同時に謝罪すると、ノエル様は冷ややかな表情を崩して苦笑した。
「まあ、幸せそうなのは結構だけどね」
ノエル様は立ち、長いこと座っていて凝り固まった筋肉をほぐすように伸びをしてからリュオンに視線を向けた。
リュオンの瞳をまっすぐに見つめて微笑む。
「レアノールに帰るつもりはないわ。私は、セラ・エンドリーネは、ここにいたい。あなたの隣で生きていたいの。叶うなら、これからもずっと」
「……叶うさ。それをセラが望むなら、おれはどんな願いだって叶えてみせる」
リュオンは彼の頬に添えていた私の手を掴んだ。
まるで姫君に忠誠を誓う騎士のように、私の手の甲にそっと口づけを落とす。
胸が甘く痺れ、頬が熱を帯びる。
ここまで私の心を掻き乱すのは彼だけだと実感した。
軽い咳払いの声が聞こえて、私は火傷でもしたかのように勢い良く手を引っ込め、リュオンと揃ってノエル様を見た。
「目の前で二人きりの世界を展開されても困るんだけど。ぼくがいること忘れてない? いまそんなことしてる場合じゃないよね?」
私たちを見るノエル様の目は冷たい。まるでお屋敷に来た当時の再現。
「悪い」「すみません」
リュオンと私が同時に謝罪すると、ノエル様は冷ややかな表情を崩して苦笑した。
「まあ、幸せそうなのは結構だけどね」
ノエル様は立ち、長いこと座っていて凝り固まった筋肉をほぐすように伸びをしてからリュオンに視線を向けた。

