妹に全てを奪われた伯爵令嬢は遠い国で愛を知る

「ねえ、お願いだから教えて。リュオンはいまから戦いに行くつもりなの? 私の知らないところで傷ついて、また私を泣かせる気なの?」

「違う、戦うつもりはない。心配は要らない。必ず無事に戻ると約束するから――」

「リュオン」
 ノエル様が言葉を遮った。

「もういいでしょう。話そう。セラ自身のことなんだから、セラには知る権利があるはずだ。前から思ってたけど君は過保護だよ」

「待っ――」

「イノーラとクロード王子がラスファルに来た。セラを連れ戻すために」

 リュオンの制止を聞かずにノエル様は言い放った。

「………………」
 私は呆けてノエル様を見つめた後、頭を巡らせてリュオンを見た。

 リュオンは苦い顔をしている。
 私が動揺すると思って彼はずっとその事実を伏せてきたのだろう。

 もしかしたら彼が全員に緘口令を敷いたのかもしれない。
 私のために。私を想って。