妹に全てを奪われた伯爵令嬢は遠い国で愛を知る

 こうして手を繋いでいればリュオンが私の魔法の効果対象となる。

 他の魔女が私に接近しても影響はなく、私の力が知られることもないのだ。

 つまり、必要に駆られて私はリュオンと手を繋いでいるのであって。

 リュオンが私の指の間に指を絡めて、まるで愛し合う恋人同士みたいにしっかり手を繋いでいることに深い意図はない。

 そうだ、そうに決まっている。

 四人で他愛ないお喋りをしながら丘を降り、通りに出て川沿いの道を歩く。

 良い天気だからか、土手にはちらほらと人がいた。

 敷布の上でバスケットを広げてお菓子を食べる親子連れ、階段に並んで座る恋人、魚釣りをしている人。

 人通りが多くなってきたなと感じたところで、リュオンが歩きつつ組み上げていた魔法陣を起動した。

 ユリウス様の全身が仄かな金色の光に包まれ――光の粒子はキラキラと輝き、そのままずっとユリウス様の周囲を漂い続けている。

 これが夜であれば目立って仕方なかっただろうが、昼間の強い日差しの下であれば目の錯覚でごまかせる程度のものだった。

 仮に魔法がかかっていることがばれたところで支障はない。