「スザンヌ。君は屋敷で待機しろ。戦場に出ることは許さん。これは命令だ」
「ええっ、どうしてですの? さすがにあの頃のように一個師団を返り討ちにはできないかもしれませんが、完全武装であっても中隊くらいは単独撃破できる自信が――」
「だから待機を命じているんだ。君は戦闘になると理性を失うだろう。相手はレアノールの第三王子と妃だぞ? 殺してしまっては戦争になる」
「……死体ごと消してしまえば行方不明で片付けられる……」
ぼそっと、スザンヌ様は物騒なことを呟いた。
「スザンヌ。相手はセラの双子の妹だ。母親を自認するなら、娘《セラ》の気持ちを考えなさい」
「…………はぁい……」
諭されたスザンヌ様は渋々座り直し、拗ねたようにそっぽ向いた。
可愛い娘が狙われているのですから仕方ないでしょう。扇子越しに、言い訳じみた言葉をぼそぼそ呟く声が聞こえる。
「スザンヌの言ったことは気にするな。とにかく三人とも、いつイノーラが姿を現しても良いよう覚悟を決めておけ。場合によっては戦闘になることもな」
「「「はい」」」
三人の声が唱和した後で、バートラム様はひたとおれを見つめた。
「ええっ、どうしてですの? さすがにあの頃のように一個師団を返り討ちにはできないかもしれませんが、完全武装であっても中隊くらいは単独撃破できる自信が――」
「だから待機を命じているんだ。君は戦闘になると理性を失うだろう。相手はレアノールの第三王子と妃だぞ? 殺してしまっては戦争になる」
「……死体ごと消してしまえば行方不明で片付けられる……」
ぼそっと、スザンヌ様は物騒なことを呟いた。
「スザンヌ。相手はセラの双子の妹だ。母親を自認するなら、娘《セラ》の気持ちを考えなさい」
「…………はぁい……」
諭されたスザンヌ様は渋々座り直し、拗ねたようにそっぽ向いた。
可愛い娘が狙われているのですから仕方ないでしょう。扇子越しに、言い訳じみた言葉をぼそぼそ呟く声が聞こえる。
「スザンヌの言ったことは気にするな。とにかく三人とも、いつイノーラが姿を現しても良いよう覚悟を決めておけ。場合によっては戦闘になることもな」
「「「はい」」」
三人の声が唱和した後で、バートラム様はひたとおれを見つめた。

