妹に全てを奪われた伯爵令嬢は遠い国で愛を知る

 あまりにも暗くて、寒くて、寂しかったからか。

 ふと、星が見たいと思った。

 ただ一つ、小さな星でもいい。夜空に輝く星が見たいと、そう思って――残された力を振り絞って首を動かし、空を見上げた。

 空は分厚い雲に覆われていて、見るべき価値があるものなど何もなかった。

 満天の星や月など実在しないかのような、ただ暗く、寂しいだけの夜空。

 出来損ないの笑みが零れた。

 ああ、全く、神様というやつはとことん意地が悪い。
 最期くらい、綺麗な景色を見せてくれたっていいのに――そこで意識が途切れた。

「…………×××××?」

 誰かの声で目を覚ました。

 しかし、相手が何を言っているのかわからない。
 その声の主は――少女らしき高い声は――自分の知らない外国語を喋っていた。