「すみません、触らせていただきますね。少しの間我慢してください」
階段を上ってスカーフを取りに行き、黒猫の首にスカーフを巻くと、黒猫は人間の言葉で話し始めた。
「……すまない。庭に珍しい蝶がいて。夢中で追い掛け回しているうちに、植え込みに引っ掛かってスカーフが取れてしまった」
どうやら身体が猫になると心まで引きずられて猫になってしまうものらしい。
「内密に巻き直してもらうべく、スカーフを咥えてノエルの部屋に行こうとしたんだが。階段の途中でスカーフを踏んづけてバランスを崩し、落ちてしまった」
申し訳なさそうに――あるいは恥ずかしがっているのかもしれない――黒猫は頭を下げた。
「そうだったんですね。どこか痛いところはありませんか?」
「打ち付けた背中が痛い。この辺が」
ユリウス様は身体を捻り、前足で背中の一点を指した。
「水で冷やしましょう。サロンで待っていてください」
階段を上ってスカーフを取りに行き、黒猫の首にスカーフを巻くと、黒猫は人間の言葉で話し始めた。
「……すまない。庭に珍しい蝶がいて。夢中で追い掛け回しているうちに、植え込みに引っ掛かってスカーフが取れてしまった」
どうやら身体が猫になると心まで引きずられて猫になってしまうものらしい。
「内密に巻き直してもらうべく、スカーフを咥えてノエルの部屋に行こうとしたんだが。階段の途中でスカーフを踏んづけてバランスを崩し、落ちてしまった」
申し訳なさそうに――あるいは恥ずかしがっているのかもしれない――黒猫は頭を下げた。
「そうだったんですね。どこか痛いところはありませんか?」
「打ち付けた背中が痛い。この辺が」
ユリウス様は身体を捻り、前足で背中の一点を指した。
「水で冷やしましょう。サロンで待っていてください」

