妹に全てを奪われた伯爵令嬢は遠い国で愛を知る

「…………」
 黙々と食事を終えた私は、盆に空になった食器を乗せて厨房へ行った。

「後でまとめて洗うので、流し場に置いといていいですよ」
「ありがとうございます」
 食器を磨いていたネクターさんにお礼を言ってから、私は厨房を出た。

 さて、これからどうしよう?

 リュオンが管理している温室に行って、彼の代わりにラスファルセージの手入れをするか。

 それともまたリュオンのところに行き、彼が起きるまで傍にいるか。

 ユリウス様やノエル様がいま何をしているのか見に行くか――

 厨房の扉の前で考えていると、大広間の階段のほうから物音が聞こえた。

「?」
 私は階段に向かい、目を見開いて立ち竦んだ。

 黒猫が――ユリウス様が階段の前で倒れている!!