「……。セラは船でロドリーの王都に着いた後、ラスファルに移動してきたんだよな。王都でも有名な『ラスファルの魔女』がおれのことだったとは思わなかった、リュオンは女性名だと思っていたって言ったけど。本当は心のどこかでおれかもしれないと思ったから、真相を確かめるべくラスファルに移動してきたんじゃないのか?」
「……そうよ」
私は王都の宿屋で偶然耳にしたリュオンという名前を追いかけてラスファルに来た。
もしかしたら彼に会えるかもしれないと期待して、王都ではなくラスファルで職を求めた。
でも、そんなこと、リュオン本人にはとても言えなかった。
わざわざ外国から追いかけてきたのかと、迷惑がられたり、気持ち悪がられて拒絶されたらどうしよう――そう思うと怖くて、ラスファルの魔女がリュオンのことだとは思わなかったと嘘をついた。
白状した私はおろし器を横に置き、上目遣いに恐る恐る彼の様子を窺った。
「迷惑だなんて思うわけないだろ。おれがセラを拒絶するなんて、天地がひっくり返ってもありえない」
リュオンは笑っていた。
目を細め、口元を緩めて、それはそれは嬉しそうに。
「『会いにきてくれてありがとう。嬉しいよ。おれもずっとセラに会いたいと思ってた』」
彼はロドリー語ではなく流暢なミドナ語でそう言った。
「『えっ? どうしてミドナ語を話せるの?』」
「『セラと一緒だよ。言葉が通用しなかったのが悔しくて勉強したんだ。大人になったらいつかセラを探す旅に出ようと思ってた』」
思いもよらない言葉。
「……そうよ」
私は王都の宿屋で偶然耳にしたリュオンという名前を追いかけてラスファルに来た。
もしかしたら彼に会えるかもしれないと期待して、王都ではなくラスファルで職を求めた。
でも、そんなこと、リュオン本人にはとても言えなかった。
わざわざ外国から追いかけてきたのかと、迷惑がられたり、気持ち悪がられて拒絶されたらどうしよう――そう思うと怖くて、ラスファルの魔女がリュオンのことだとは思わなかったと嘘をついた。
白状した私はおろし器を横に置き、上目遣いに恐る恐る彼の様子を窺った。
「迷惑だなんて思うわけないだろ。おれがセラを拒絶するなんて、天地がひっくり返ってもありえない」
リュオンは笑っていた。
目を細め、口元を緩めて、それはそれは嬉しそうに。
「『会いにきてくれてありがとう。嬉しいよ。おれもずっとセラに会いたいと思ってた』」
彼はロドリー語ではなく流暢なミドナ語でそう言った。
「『えっ? どうしてミドナ語を話せるの?』」
「『セラと一緒だよ。言葉が通用しなかったのが悔しくて勉強したんだ。大人になったらいつかセラを探す旅に出ようと思ってた』」
思いもよらない言葉。

