天土くんの悲鳴が響き渡ると、すぐに火も消えてしまった。
窓の向こうには暗闇だけが見える。
「ムリムリムリ! イヤすぎ! 何あれ何あれ⁉」
耳元でわぁわぁ喚かれて顔をしかめる。
天土くんの声は火和くんのように大きくなくても、滑舌がはっきりしているからか、よく通る。
それにしても、こんなビビリが、あの生徒会長様だとは……。
「わぁ。蘇芳ちゃん、見てきたら?」
「え゛っ。う、一人はちょっと……玄斗も行かないか?」
「おれぇ? いいよぉ」
火和くんも、天土くんほどではないけど苦手そうだ。金泉くんと水野くんは平気そう。
水野くんがのそのそと窓へ歩き、ガタついてる窓を力づくで開ける。
窓の向こうは外。ほとんど茂みになっていて人の気配はない。
いたとしても、騒いでいたから十分逃げる時間はあっただろうけど。
「どう? スオーくん」
「んん、焦げたニオイはする」
火の玉って、物理的に何かを燃やすのかな……。
プルプルと震えていた天土くんが大げさに頭を抱えた。
「七不思議は全部俺らだと思ってたから安心しきってたのに! 知らないウワサが出てくるなんても~~ムリ! このままじゃ安心して寝られないってぇ!」
それからビシリと僕らを順に指差して。
「みんな! 火の玉事件を解決するよ! もちろん蒼真もね! 俺の安眠がかかってるから!」
「え……。まあ、これに関しては利害は一致してるのかな」
元々解決するためにここに来たんだし……。
人手が増えるのはシンプルに助かりそうだ。
「はいじゃあ決まり! 明日の放課後、全員で現場検証ね。今日は暗いし危ないから解散!」
「あ、放課後すぐは難しいんだ。ごめん」
あっさり断ると、天土くんは勢いよく崩れ落ちた。
芸能人は芸能人でも、今の天土くんはどちらかというとお笑い芸人だ。
「何でぇ! 部活もやってないだろ君は!」
何でそんなことまで知ってるんだ……。
「スーパーのタイムセールに間に合わせないとだから」
火和くんが不思議そうに首を傾げる。
「スーパー? 蒼真って寮生じゃないのか?」
「寮で出るのは朝食と夕食だけでしょ? お昼ご飯の材料を買わないと……」
「ええ? もしかして手作りしてんの?」
「食堂使ってないのぉ?」
金泉くんと水野くんも驚いたようだった。
確かにこの中学校には立派な食堂まで完備されている。
栄養バランスが考え抜かれたボリューム満点のメニューが豊富らしい。
輝かしい将来への一歩は心も体も満たされることからだとか何とか。
らしい、というのも、僕は一度も使ったことがない。
だって。
「高いんだよ……‼」
定食なんて、下手したら僕の普段のお弁当の三食分にもなる……!
タイムセールを制する者は人生を制するのだ。
こぶしをきつく握っていると、ガシッと両肩に手を置かれた。
迫真の天土くんが僕の顔を覗き込んでくる。
「わかった。こうしよう」
「え?」
「一週間分の食券は俺が払う。だから放課後一緒に」
「いつでも呼んでよ」
食い気味で答えた。
ゲンキンと言われようが、金の亡者と罵られようが、構わない。
一週間分の食費が浮くのは大助かりすぎる。
うん、持つべき者は最高の生徒会長様だな。
窓の向こうには暗闇だけが見える。
「ムリムリムリ! イヤすぎ! 何あれ何あれ⁉」
耳元でわぁわぁ喚かれて顔をしかめる。
天土くんの声は火和くんのように大きくなくても、滑舌がはっきりしているからか、よく通る。
それにしても、こんなビビリが、あの生徒会長様だとは……。
「わぁ。蘇芳ちゃん、見てきたら?」
「え゛っ。う、一人はちょっと……玄斗も行かないか?」
「おれぇ? いいよぉ」
火和くんも、天土くんほどではないけど苦手そうだ。金泉くんと水野くんは平気そう。
水野くんがのそのそと窓へ歩き、ガタついてる窓を力づくで開ける。
窓の向こうは外。ほとんど茂みになっていて人の気配はない。
いたとしても、騒いでいたから十分逃げる時間はあっただろうけど。
「どう? スオーくん」
「んん、焦げたニオイはする」
火の玉って、物理的に何かを燃やすのかな……。
プルプルと震えていた天土くんが大げさに頭を抱えた。
「七不思議は全部俺らだと思ってたから安心しきってたのに! 知らないウワサが出てくるなんても~~ムリ! このままじゃ安心して寝られないってぇ!」
それからビシリと僕らを順に指差して。
「みんな! 火の玉事件を解決するよ! もちろん蒼真もね! 俺の安眠がかかってるから!」
「え……。まあ、これに関しては利害は一致してるのかな」
元々解決するためにここに来たんだし……。
人手が増えるのはシンプルに助かりそうだ。
「はいじゃあ決まり! 明日の放課後、全員で現場検証ね。今日は暗いし危ないから解散!」
「あ、放課後すぐは難しいんだ。ごめん」
あっさり断ると、天土くんは勢いよく崩れ落ちた。
芸能人は芸能人でも、今の天土くんはどちらかというとお笑い芸人だ。
「何でぇ! 部活もやってないだろ君は!」
何でそんなことまで知ってるんだ……。
「スーパーのタイムセールに間に合わせないとだから」
火和くんが不思議そうに首を傾げる。
「スーパー? 蒼真って寮生じゃないのか?」
「寮で出るのは朝食と夕食だけでしょ? お昼ご飯の材料を買わないと……」
「ええ? もしかして手作りしてんの?」
「食堂使ってないのぉ?」
金泉くんと水野くんも驚いたようだった。
確かにこの中学校には立派な食堂まで完備されている。
栄養バランスが考え抜かれたボリューム満点のメニューが豊富らしい。
輝かしい将来への一歩は心も体も満たされることからだとか何とか。
らしい、というのも、僕は一度も使ったことがない。
だって。
「高いんだよ……‼」
定食なんて、下手したら僕の普段のお弁当の三食分にもなる……!
タイムセールを制する者は人生を制するのだ。
こぶしをきつく握っていると、ガシッと両肩に手を置かれた。
迫真の天土くんが僕の顔を覗き込んでくる。
「わかった。こうしよう」
「え?」
「一週間分の食券は俺が払う。だから放課後一緒に」
「いつでも呼んでよ」
食い気味で答えた。
ゲンキンと言われようが、金の亡者と罵られようが、構わない。
一週間分の食費が浮くのは大助かりすぎる。
うん、持つべき者は最高の生徒会長様だな。
