「おい、何か言えよ」
野崎くんに低い声で言われ、ハッと我にかえる。
僕は……ふいに、彼らのことを思い出した。
気を張らずマイペースに付き合ってくれる水野くん。
無邪気に友だちになれて嬉しいと言ってくれる火和くん。
素直じゃないのに、蒼ちゃんと呼んでくれる金泉くん。
そして誰より先に、ためらいなく僕を必要としてくれた天土くん。
――彼らに恥じる自分ではいたくない、なんて。
そんな気持ちがフツフツと込み上げる。
だけどこんなこと、恥ずかしくて口が裂けても言えないな。
「おい、木戸。無視するなんていい度胸……」
「一緒にしないで」
「……は?」
「僕は僕なりにずっとがんばってきたんだ。そんな僕を仲間にしたいって言ってくれる人たちもいる。君たちとはちがって、ちゃんと自分の力でがんばってる人たちだよ。仲間になるなら僕はそういう人たちの方がいい。君たちとは、仲間にならない」
急に話し出した僕に一瞬気を取られた彼らは、次の瞬間には顔を真っ赤にした。
「お前、今の立場わかってんのか?」
「なめやがって……! やっちまえ、今井」
「ああ!」
今井くんがライターを近づけてくる。
僕はぎゅっと目を閉じて――。
「でりゃあああああ!」
「ぎゃあ⁉」
「な、何だ⁉」
「……?」
誰かの大声、それから焦った今井くんと野崎くんの声。
おそるおそる目を開けると、今井くんが痛そうに手を押さえていた。
僕の広い視野は、離れたところにライターと野球ボールが転がっているのを見つける。
……野球ボール?
それから、急いでこちらに駆け寄ってくる影――。
