嘘から始まる恋煩い!

私が彼にそう言った後、シン………とあたりが水を打ったように静まった。
桐山は表情を消し、私の言葉の続きを待った。

「私、五十嵐のことが気になってるの。人を好きになることなんてないって思っていた私が、やっと、もしかしたら、って思える人なんだ。だから………ごめんね。でも、ありがとう。」

告白を受けたことは今までに何回かある。
だけど、これまではすぐに考える時間もなく断っていた。
でも、桐山は大切な仲間だから……丁寧に対応したいし、実際少しだけ迷ってしまった。
あ、もちろん告白したきた人が大事じゃないってわけじゃないよ?
私がそう言い切って桐山を見ると、彼はゆっくり笑った。

「………うん。今のところは、そうなんだよね?」
「え………?」
「今の返事も聞いて思ったけど………俺もそうなんだ。雨音だけだよ、俺が好きになれそうって思ったのは。だから簡単に逃すわけない。」
「………!」
「俺、諦める気はないから。それに俺の告白で少し揺らいだでしょ?」
「なっ…………。」
そんなことはない、なんて言えなかった。
「だから俺、これからは今以上にアプローチするから。理性のタガが外れて襲う……ようなことはたぶん、がんばってないようにする。」
「そこは言い切ってほしかったよ………。」
桐山なら、流されて襲われそうだと失礼ながら思ってしまった。