嘘から始まる恋煩い!

そんな私を見つめながら、桐山が私の後ろの壁に手をつく。
私は、彼の瞳の中にくすぶった熱を見つけた。

「雨音がなんで五十嵐のこと気になるかはわからないけど………俺だったら、雨音のこと大事にする自信あるよ?雨音の全部を受け止めてあげる。」
「っ…………!」

その言葉は、どうしようもなく私の心を揺さぶった。
桐山に見られ続け、私の思考がまとまらない。
何か言いたいのに………、何も考えられない。思考が飛んでしまう。
私たちのまわりには誰もいなくて静かすぎるから、これは夢なんじゃないかとまで思った。
「あの、その………。」
何とか言葉を紡ごうとしていると、彼は私の心にトドメを刺してきた。
「ねぇ、俺を利用しない?俺と付き合ってみて、俺のことを好きになったらそのまま。そうじゃないなら五十嵐のことを想えばいい。」
「まぁ絶対好きにさせるけど、」と付け足された言葉を私は拾えず、ただただ呆然としてしまう。
そんなこと、考えもしなかったから。
桐山はそんな私を見てから、口角だけを上げて、どこか妖しい表情を浮かべた。
整った顔立ちに色気が加わって、鼓動がどんどん高まっていく。
捕獲のアナウンスも何も聞こえず、私の頭はグルグルとした。