嘘から始まる恋煩い!

五十嵐蓮。
おそらく、雨音の気になってる人。
そして俺のライバル。
俺は、自身の恋のために少しだけずるいことをした。

俺は五十嵐が捕まる前に、ハンターがいたことを知っていた。
十分ハンターが俺たちに気づける距離まで誘導して、俺はいいタイミングでふっと関係ない場所を見た。
それに気づいた雨音たちも、俺の方を立ち止まって振り返る。

「どうしたの、桐山?」
「ああ、いや、なんでもない。ハンターがいるのかなって思っただけ。」
「そっか。じゃあ行こう……あれ、五十嵐?」
そこで何やら違う方向を見ている五十嵐に気づいて、雨音が小声で声をかけると……。
「なあ、あれ……ハンターじゃない?」

よし、うまくいった。
五十嵐がハンターに気づくと同時に、ハンターも俺たちに気づいた。
途端に走ってくるハンターに、雨音たちも驚きつつ逃げ始める。
そこで俺は雨音の腕をとり、声をかけた。
「一緒に逃げよ。いい場所知ってるから。」
「え、あ、じゃあ、五十嵐も一緒に……。」
そう雨音が言いかけたので、俺は五十嵐に無言で視線を送る。
もちろんこの視線の意味は、「邪魔するなよ」ということだ。