嘘から始まる恋煩い!

そんなある日、俺の学年に「逃走中」というイベントができた。
授業が潰れるのはありがたいけど、走り回るのは好きではない。可もなく不可もなし、みたいな感じ。誰だよこのイベント作ったヤツ。
俺は「逃走者」だったので、友達と一緒に行動していたけれど、序盤であっという間にみんな捕まってしまった。
俺はなぜか生き残ったんだけど。
とにかく俺の交友関係は広い方ではないので、独りになった俺は適当な教室にこもっていた。
薄暗いし、隠れられるようなところはたくさんあるので、そう簡単にハンターに捕まることはないだろう。それに、教室はいくらでもあるのでわざわざここに来る人もいないだろう………って思っていたが。

ガラッ

ハンターか?と思って扉付近を覗いたら、雨音だった。
雨音がハンター………?いやでもハンターの目印となるハチマキはつけていない。
そんなことを考えていたら、雨音がこっちを見た。
「「…………あ。」」
お互いぽつりと漏れる声。

「え、五十嵐………?逃走者?」
「うん。雨音も?」
「うん。」

それだけ話すとお互い沈黙になってしまう。
でもなぜか、この沈黙は俺にとって気まずいものではなかった。