嘘から始まる恋煩い!

何も計画が浮かばない日々を過ごして、気づけば5月になってしまった。
はあ……、なかなか近づくチャンスがない。
クラスが離れると、恋ってこんなに大変になるんだなぁ。
部活とか委員会の関わりもないし、距離を縮めるにはやっぱり行事がないと。
ただ、高等部1年になって初めての大きなイベントが…7月、修学旅行のとき。
1週間海外に行くというプログラムなんだけど、今からで数えてもまだ2ヶ月もある。
その後が夏休みで、夏休みが終わるとすぐに体育祭だ。
そして10月の初めには文化祭。
うう、気が遠いよ………。
なんかイベント作ってくれないかな、まったくチャンスがない。
今日は水曜日なので、とぼとぼと天文部の部室へ向かっていると、後ろから聞き慣れた方がした。
「あれ、雨音じゃん。一緒に行こうよ。」
「うん、もちろん。」
振り返るとやっぱり桐山がいて、嬉しそうに笑いながら私の隣まできた。
やっぱり桐山って爽やかだなぁ………。

隣に並ぶとよりそう思う。
「なんか元気なさそうだけど、どうしたの?」
「あー、ちょっと、ね………。」
さすがに行事が無さすぎて気になる人のことを知ろうにも機会がありませんとは言えず、暖味にごまかす。
そうしたら桐山は少し寂しそうに笑って、こう言った。
「そっか。俺には言えない悩み?俺でよければ相談に乗るよ。」
「俺じゃ頼りにならない?」と悲しそうに言う桐山に、慌てて違うよと答える。
「なんか、最近イベント1つもなく授業ざんまいじゃない?だからちょっとどんよりしちゃっただけ!」
嘘は言っていない。オブラートに包んだだけで。