嘘から始まる恋煩い!

「!」
びっくりしてちょっとだけ立ち止まる。
でも立花に怪しまれるので、私は歩みを進めた。
彼は数名の友達と一緒に勉強をしていた。
あ、あの友達たち、中学1年のころから五十嵐とつるんでいた人だ。中には私をトンネルでおどかした人もいる。
クラスが変わっても、友達のメンツは変わらないんだな。
そう思うとちょっと懐かしくて、私は笑ってしまった。

特にそのあと何もなく、私たちは10分くらい図書室の中を巡った。
目が合うこともなかったし、グミのご利益はただ「少し気になっている人に会える」だけだったんだなと思う。
ほんのちょっとだけ残念だなと思って元来た道を歩いていると、立花が珍しく目を見開いて私を呼び止めた。
「美亜……!」

「え?………あいたっ!」
ガァン、と。
私の体は図書室の中にある鉄の柵に真正面からぶつかった。

ついつい出してしまった大きな声と大きな金属音。
当然、図書室で勉強していた人たち全員の視線が集まる。
その中にはもちろん五十嵐の視線も合った。
パチッ、と完全に目が合う。

かすかに笑っている目元を見て、私の顔は羞恥で真っ赤になった。
「っ………!」

ただまた目をそらすと感じが悪いので、私は今の失態をごまかすように愛想笑いを浮かべた。
「あ、あはは~。」
そう小さな声で笑いながら、私は隣で必死に笑いをこらえている様子の立花を連れて図書室を出た。

いくら図書室が吉だって……こんな展開は聞いてない‼