嘘から始まる恋煩い!

だけど、その日の私は家に帰って、ある重要なことに気づいた。
「どうやって五十嵐のこともっと知ればいいの⁉」
そうだ、気合を入れていたのはいいけど方法がまったく思いつかない。

クラスに押しかけて話す?……いやいや論外。のちの私はからかわれて学校生活がジ・エンド。
当たって砕けろ精神で告白する?……いやまだ私告白する段階に至るまでの好きには至ってない。ダメ。
うまく計画を立てて話す?……そもそもどうやって!
あーどうしよぉー!

私はずかずかとコハクのほうへ近寄り、ぎゅっと彼を抱きしめた。
「は~コハクは癒し!ふわふわもふもふしてるー!」
「ミャーンッ⁉」
何のことかわからずじたばたしているコハクがかわいくて、さっきまでの悩みがどこかへ行ってしまう。
そのとき、コンコンと扉がノックされた。
「姉ちゃん?おれだけど。」
「オレオレ詐欺みたいに言わないでー?どうぞー。」
扉が開くと、案の定世那がいた。
「うわ、コハクに思いっきり抱き着いてるじゃん。なんかあったのか?」
「べっつにー。乙女の悩みをしてただけだよー。」
私はよく、何かあるとコハクをぎゅっとハグして自分を癒していた。
だから私が考え事をしているのも世那にバレたみたいだ。
「乙女の悩み?なに、恋の悩みか?」
1個下な弟がこんなに怪しい笑みを浮かべているのが悔しい。
だから私は、ちょっと冷たく言った。
「世那には関係ないでしょ~。だって世那、恋愛に興味ないんだもんね?」
「うん、興味ない。」という返答が返ってくるのだろうと思ってコハクから世那に視線を移すと、彼はなぜか戸惑った表情をしていた。

「えっ?あの姉ちゃんに好きな人?」
どうやらそっちに驚いたようなので、私はちゃんと説明した。
「なんかいいな、って感じの人ならいるよ。別のクラスの人だから、どうアプローチすればいいか悩んでる。その人のこと知りたいなって思ったからさ。」
そう言い終わると、世那はどこか傷ついたような表情を浮かべた。
「あ、そっか……、そいつってどんなヤツ?」
「んー、元同じクラスの人だったんだけどね。おとなしいイメージなんだけど、たまにはしゃぐこともあるかな?あと何を考えているか読めない。」
「へー……。」
そう言った世那の声があまりにも無機質で、私はおどろいた。
「どうしたの?」
どこか体調が悪いのかな、そう心配して私が世那に尋ねると。
「ううん、別に。おれは男子校だし、恋愛対象が男ってわけじゃないからよくわかんないなって。」
「あ、そ、そっか……。」
うっ、相変わらず恋愛に興味ナシ。