嘘から始まる恋煩い!(前編)

お手洗いに行っている真帆ちゃんを待ちながら2人で談笑していると、目の前を男子たちが横切った。
「!」
そのグループの中には五十嵐もいて、思わず目を見開いてしまう。
五十嵐は紺色の無地というシンプルなエプロンを着ていたけれど、似合っていて着こなしている感じだった。
私がじっとそのグループを目で追っていると、五十嵐がふとこちらを向いた。
彼は一瞬驚いたような顔をしたけれど、他の人にはバレないようにこっそり微笑んでくれた。
「っ。」
どうしよう、なんだか嬉しい。
私が密かに喜びを噛み締めていることに気づいているのか、由羅ちゃんが生暖かい眼差しを送ってきたような気がするけれど、不思議となんとも思わなかった。

あの後無事真帆ちゃんと合流し、調理室に向かった私たちは、その部屋の内装に目を奪われていた。
てっきり質素でなにもない場所かと思っていたら、そうではなくて。
もちろん衛生上にも気を使いながら、ところどころにピンク色のカーテンがあったりなどと明るい雰囲気になっていた。
ここでケーキを食べるの、絶対楽しそう!
早速、担当の人の指示に従い、私たちはあらかじめ決められたグループに分かれる。
私の班は、私、真帆ちゃんと男子2人だった。